わさみんカヴァーズをサブスクに

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Spotifyなどサブスクで聴けるわさみんこと岩佐美咲は、全10曲のシングル表題曲(+1)だけ。これではあまりにもったいない、むしろカヴァー曲やアルバム収録曲などをこそサブスクで聴けるようにしてほしいという声はそこそこあります。

わさみんカヴァーズのなかには超絶名唱としてファンのあいだで語り継がれているものだってあるんですから。おおまかに濃厚抒情演歌系とライト・ポップス系に大別できると思いますが、ヴァーサタイルな歌唱能力を持つ美咲はいずれも同じように歌い同じようにぼくらを感動させてきました。

濃厚抒情演歌系では、やはりなんといっても「風の盆恋歌」(「佐渡の鬼太鼓」特別盤C、2018)が絶品。石川さゆりが初演ですが、切なく哀しい実らない恋情をつづったこれはわさみんの持ち味にピッタリですし、実際、2018年2月恵比寿でのコンサートで披露したとき、ぼくをふくむその場にいたファンはみんな泣いたんです。

あまりにもすばらしかった、ぜひまた聴きたい、発売してほしいとの声が高まり、それを受けるようにスタジオで歌いなおしたものが同年八月にCDリリースされました。しかしこれもサブスクにはなし。どんなに絶品だと言おうともちょこっと試聴してもらうことなどかないません。CD買ってよ、と言うしかなく、いまどきもはやそんなのねえ。

「旅愁」(「佐渡の鬼太鼓 」特別盤A、2018)や「遣らずの雨」(「恋の終わり三軒茶屋 」特別盤B、2019)もすばらしいできばえ。もともと美咲はずっと前からこの手の演歌を歌うときに才能をみせてきた歌手で、一枚目のアルバム『リクエスト・カバーズ』(2013)からすでに「越冬つばめ」みたいな佳品がありました。

その後も『美咲めぐり ~第1章~』(2016)にも「北の螢」「なみだの桟橋」があったし、同時期に発売された「石狩挽歌」(「鯖街道」通常盤、2017)もみごとな歌唱でしたが、しかしどれもこれもCD買うしか聴く方法がないんですからね。んも〜、徳間ジャパンのいけず!

ライト・ポップス系なら、たとえば「20歳のめぐり逢い」(「初酒」生産限定盤、2015)なんか、もう最高じゃないですか。そしてなんといっても「糸」!これ、これですよ、美咲史上最高傑作かもしれないとの声まであるこれこそ、サブスクで聴けるようにしてほしい第一位。2017年5月の弾き語りコンサートで披露され、それが録音されてそのまま同年の「鯖街道」(特別記念盤)に収録発売されました。

美咲のこのヴァージョンの「糸」は、同曲全歌手全カヴァー中でも№1といえるんですけど、サブスクにない以上、ぼくらファンがどれほど絶賛しようとも美咲を知らない音楽リスナーが手軽にちょっと聴いてみることなどできません。

美咲のこの「糸」にかんしては、やや苦い思い出があります。ブログでたびたびとりあげて称賛してきましたが、たまたまあるとき2021年にあるかたとおしゃべりしていて、ブログ更新のSNS通知でみかけたんだけど、どこで聴けますか?すごくいいんでしょ?えっ、CDしかない?う〜ん、それじゃあねえ、もういまどきCDじゃないとっていうのはちょっとね、と言われ、結局そのまま退かれてしまいました。

せっかくちょっとだけでも興味を示してもらうチャンスが来たら、それを逃さず聴いてみてもらうことが肝心だと思うのに。みすみすあきらめるしかないなんてね。

そのかたはApple Musicの常用者だったんですけど、ホント、こういうことが間違いなく日常的に頻発していると思いますからね。ちょこっと興味を示されることがあっても聴いてもらえない。聴かれなかったらどうにもなんないでしょ、音楽なんだから。どうか公式発売された美咲の全楽曲をサブスクに入れてほしい>徳間ジャパンさん!

「風の盆恋歌」とか「20歳のめぐり逢い」とか「糸」とか、ちょちょっと耳にしてもらうことさえできれば、美咲がどんだけすばらしい歌手なのか、わかっていただけて、ファン拡大に、つまりひいては売り上げ増につながるのは間違いないと思うんですよ。

(written 2022.2.23)

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hisashi toshima 戸嶋 久
hisashi toshima 戸嶋 久

Written by hisashi toshima 戸嶋 久

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