好みだけで選ぶツェッペリンのトップ20曲

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去年のことだったみたいですが、『ローリング・ストーン』誌に「レッド・ツェッペリン究極の名曲トップ40」という記事が載っていました。ぼくが知ったのはほんのついこないだのこと。

高校時代から大のツェッペリン・ファンなぼくですからぁ、ちょっと真似してやってみました。40曲はちょっと多いし、各方面に気を配っての総花的で大味なセレクションになってしまいますから、20曲で。

『ローリング・ストーン』誌のものと違って、どこまでも個人的なものなので、ベスト20の選考基準はあくまで自分が好きなものというだけ。だから一般的には大名曲とされるものでも入らなかったり、えっ、こんなのが上に来るの?とかいうことがあるかと思います。

さらにカヴァー曲は外し、オリジナル曲に限定。それから、なるべくパクリじゃないものを。ブルーズやフォーク、同時代ロックなどからも(当時は)無許可で完パクしまくったツェッペリンのそこはやっぱり印象よくないので。といってもこのバンドだと、それをセレクションから完全に排することが不可能なのは悔やまれるところ。

そんなこんなで選び出した20曲を、極力自分の好きな順に並べようとしましたが、うまくいなかった部分もあり。でも7曲目くらいまではほんとうに好きな順です。その下からはある程度流れみたいなものも意識しました。

以下、曲解説などは不要だと思うので、個人的な思い入れの強いところだけ、ちょちょっと記しておきます。

1. Custard Pie
2. Rock and Roll
3. Celebration Day
4. Black Dog
5. The Rain Song
6. The Crunge
7. The Wanton Song
8. Tangerine
9. That’s the Way
10. The Battle of Evermore
11. Black Country Woman
12. For Your Life
13. Candy Store Rock
14. The Song Remains The Same
15. Whole Lotta Love
16. Heartbreaker
17. Good Times Bad Times
18. Communication Breakdown
19. I’m Gonna Crawl
20. White Summer (/ Black Mountai Side)

1「カスタード・パイ」。ハードでソリッドで、疑いなくいちばん好きなツェッペリン・ナンバー。3・2クラーベのリズム・パターンをリフに応用しているのもいいですね。ゼップのばあいはボ・ディドリー由来でしょう。ファズを思い切り効かせグチャっとつぶれたギター・サウンドが美しく快感。

2「ロック・アンド・ロール」3「セレブレイション・デイ」と続く流れは、要するにライヴ・アルバム『永遠の詩』のオープニングってことで、それをそのまま借用しただけ。それくらいあのライヴ・メドレーが気に入っているんですよね。

6「ザ・クランジ」を選ぶファンはほぼいないと思いますし、ツェッペリン名曲選にも入るわけないんですが、この変拍子の変態JBマナーなファンク・チューンがぼくは大のお気に入り。ロンドン下町なまりで歌うプラントのヴォーカルも最高。7「ザ・ワントン・ソング」もファンク・チューンで、一般的にはこんな上位に来ないもの。

これ以下数曲がアクースティック・セクション。といっても8「タンジェリン」はけっこうペダル・スティールなども使っている、ヤードバーズ時代末期から存在した名曲で、大好き。『フィジカル・グラフィティ』からとった11「ブラック・カントリー・ウーマン」もマンドリンのサウンドがアクギと溶け合って、いい感じ(バンドに数少ないベース・レスな曲)。

ファースト・アルバムや『II』からの有名代表曲が下のほうに来ていますが、気持ち的には4「ブラック・ドッグ」あたりと同じくらい好きなんです。ですけれど、リアルタイムなら中後期以後のツェッペリンに思い入れがある世代としてはこうなりました。ぼくより数歳ほどでも年上のロック・ファンならこれが逆転するはず。

19「アイム・ゴナ・クロウル」はリズム&ブルーズ調の美しい哀切バラードで締めくくりにはピッタリなんですが、ラストに1969年BBCライヴから「ホワイト・サマー(〜ブラック・マウンテン・サイド)」をコーダ的に入れました。

大好きなんですよね。ヤードバーズ時代にやっていた曲ですが、ツェッペリンになってからも初期はやっていたということで。このヴァージョンの「ホワイト・サマー」は、1990年リリースのCD四枚組リマスター・ボックス一枚目ラストで初お目見えだったもの。あのときツェッペリン・ヴァージョンがあるんだとはじめて知り、感激したのをいまでもよく憶えています。

(written 2021.7.14)

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hisashi toshima 戸嶋 久
hisashi toshima 戸嶋 久

Written by hisashi toshima 戸嶋 久

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